1965年を<テレビっ子>元年(零歳)として、傷害事件を起こした10代の女子における人口比率を見ると、8歳の時には人口10万人中2名だった問題児が、10歳(75年)になった途端に約2.5倍に増え、以後急激に増加して、19歳(84年)では22名と実に11倍になっています。
又、児童虐待の報告は<テレビっ子>が母親になる年度を1とすると、10年後の2001年には20倍(2万3千件)に急増しています。 1965年を起点にして20年以内に生まれた人が、現在100万人と言われている「引きこもり」の80.5%を占めています。内、8年以内に生まれた人については全体の37%を占めています。又、ニートと呼ばれる「働こうともしない若者」が全国に80万人、彼らは「人間関係に苦しんで立ちすくんでいる」と言われていますが、いずれも、人間関係や社会との不適応の点で共通しています。 今の子どもの特徴と言えば、「他人とうまくコミニュケーションがとれない」「他人の気持ちが分からない」「携帯電話・メールを通じて友達と繋がっていないと不安を感じる」「本を読むより、ビデオやファミコンをしている時間が長い」等々でしょうか。 <神戸連続児童殺傷事件>の犯人は、事件当時を振り返って「あのころの自分のイメージは夢幻のようだった」「犯罪によって自己の存在を確認しようとした」と述懐しています。この後、この事件に誘われるようにして、少年が中年の婦人を包丁で刺し殺すという事件が発生しました。その犯人も「人が死ぬのが見てみたかった」と陳べています。 <佐世保小6女児殺傷事件>の場合はさらに衝撃的です。「バトル・ロワイヤル」のビデオの映像そのままに、ビデオで行われると全く同じ手口で、淡々とまるで処刑でもするかのように同級生の首をカッターナイフで切り裂いたのであります。しかも、事件後には「(殺した)友達に会ったら謝りたい」と発言しています。頭の中は現実と非現実が判別されないままの状態で同居しているのです。 <全日空ハイジャック事件>の犯人にしてもそうでした。彼がハイジャックした理由は、ジャンボ機で横浜レインボーブリッジの下を潜りたかったからであります。なぜか?自分はゲームセンターのゲーム機で何度も練習したから出来ると思い込んでいたのです。これで、彼は機長を包丁で刺し殺してしまいました。しかも彼は一橋大学卒業の秀才です。なぜこのような事が起こってしまうのでしょうか。 来週はこの点に触れてみたいと思います。 <福岡東ロータリークラブ2004-2005年度 会長報告No.29(2005.2.17)>
by keizo-ohata
| 2006-09-19 02:24
| 育児・教育
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